「タブラとは」
タブラとは、インド亜大陸(インド、ネパール、パーキスタン、スリランカ、バングラデシュなど)を中心として発達し現在では世界中で演奏されている、二つ一組の小さな太鼓です。
右手の木製胴の小さい方は「タブラ」や「ダーヒナー」、左手の金属製の方は「バーヤン」「ダッガー」などと呼ばれています。
両方とも上面の片側だけがくりぬかれ、ヤギの皮が張られ、皮製のストラップ、あるいは金具で締められています。 そしてその皮面には「スィヤーヒー」と呼ばれる黒い円形の塗り物が塗って乾かされています。また縁の部分だけは皮が3,4重になっています。
タブラの構造や名称についてはここでは割愛します。
さて、タブラ奏者はこの二つの太鼓の叩く「場所」と叩き方を変える事によって、多彩な音色を生み出しそれを使い分けます。そしてそれら使い分けられた音色にはそれぞれ固有の「名前」がついています。 この名前を「ボール(Bol;ヒンディー語で喋るの意)」と呼びます。
タブラ奏者はこの「ボール」を使って、無数にあるフレーズやコンポジションのリズムと音色の組み合わせを記憶しますが、単に記憶する手段としてだけでなくパフォーマンスのひとつとしても時にはステージ上で聴衆に披露します。
「タブラのボール」
ボールの音色は基本的には、右手のタブラで7種類、左手のダッガーで2種類あります。 ()内のものは同じ音色ですが、口で発音するときに前後の関連から発音しやすいように変化したものです。
右手(タブラ)のボール
①ta (na) ②thin ③tun ④te Te ⑤ti re ⑥tit
左手(ダッガ-)のボール
①ge (ghin) (ge) (ga) (g)
②ke (ka) (ki) (k) (kat)
両手で叩くボール
①dha ②dhin ③dhe ④dhi ⑤dhet など
両手のコンビネーションのボール
①te Te ke te (ti Ti ki te) (te re ke te) (ti ra ki ta) (te Te ka ta)
②ke Te te ke (ke re na ke) (ki ta Ta ka) など
上にあげたボールの数々、西洋の音楽で言うところの「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」に似てますね。
ただしこれらのボールは、フレーズの前後の関係や、流派、さらにはつく師匠によって発音上にいろいろな違いがあります。
例えば右手のボールの④te TEは前後のフレーズによってはti Teになる場合もあります。 また、両手のコンビネーション ①te Te ka Te は ti r ki t (二番目のrと最後のTに母音がつかないのは、ヒンディー語の発音の規則上、語末の音の母音が抜けたため。それぞれreとteと発音される場合もあります。)、 または(te re ke te)となる場合も通常良く見かけるバリエーションの一つです。
なお、te(TとEが両方小文字)とTe(Tが大文字)の違いですが、ヒンディー語では[t]の音だけで4種類あります。 その差は[t]を発音する寸前の舌の位置の違いと、発音された瞬間に息が一緒に吐かれているかです。 インドでは反舌音の[t]には、[t]の下に点を打つのが一般的ですがここでは、大文字と小文字で判別することにします。
teは普通の日本語の「テ」とほぼ同じですが、Teは舌の位置を上の前歯につけて出す「テ」です。 また、息が吐かれているか(帯気音)かどうかの違いは、インドでの慣習にしたがって、子音と母音の間にH(h)を入れるかいれないかで表すことにします。
「タブラのフレーズ」
「ボール」には、発音と表記の上でいろいろな違いがあることをお話しました。「ボール」は全インドの全てのプレーヤーに完全に共通したものではなく、地方や流派によって、またはヒンディー語(ウルドゥー語)が元になっているために生じる発音上の違いによるものです。
さてそれではいよいよ「ボール」を使って、実際に「何が」タブラで演奏されているのかをお話します。
「インド古典音楽」と聞くと「即興音楽」と思われる方が殆どだと思います。実際に守られるべきルール(ラーガとターラ)とそれぞれのラーガの固有のキャラクターを毎回違った「状況下」でも再現するためにも、演奏は即興である必要があるのですが、伴奏をするタブラも「即興演奏」の伴奏をするために、その場その場に即した即興が必要とされます。
しかし、即興といえども何をやってもイイというのではなく、リズムに関するルール「タール(ターラ)」(拍数とそれぞれの拍の持つキャラクターのルール)は当然守らねばなりません。
タブラ奏者はルールのなかで即興で全く新しいフレーズをその場で作ることもありますが、多くの場合はその即興の元となるもの、元になるフレーズがあります。
「フレーズ」には大きく分けて、
①ある基本的なパターンとそのバリエーションをいくつも持つ長めのもの、と
②わりと短いリズム周期で完結しているもの、
があります。
①の方には、カーイダ(kaida,kayda)、バーント(bant)、レーラー(rela)、ガット(gat)の一部、ペーシュカル(peshkar)、などが含まれます。
一方②には、モーラー(mohra)、ムクラー(mukhra)、トゥクラ(tukra,tukuda)、パラン(paran)、チャクラダール(chakradar)、ガット(gat)の一部、 があります。
①、②の両者とも過去に誰かによってデザイン、作曲されたものです。中にはデザインした人の名前や流派、またそのフレーズの意図しているところも伝えられているものもあります。
昔はそれらの膨大な量のフレーズは各流派の中での財産であったため、 他の流派のフレーズを他流派のタブラ奏者が演奏するということはすくなかったようです。
それではまずは①「ある基本的なパターンとそのバリエーションをいくつも持つ長めのフレーズ」の代表的なもの「カーイダー(カイダ)」についてみてみましょう。
「カーイダー(1)」
タブラで演奏される「フレーズ」どんなものがあるのかは上にあげましたが、①の「基本的なフレーズとそれぞれの複数のバリエーションを持つ長めのフレーズ」の代表格「カーイダー」をみてみましょう。
「カーイダー」とはアラビア語のqa’ida(規則、法則の意)という言葉が元になっています。
タブラで演奏される多くのカーイダーは、特定のターラの拍数、ターラのキャラクターにあわせてデザインされたフレーズで、そのフレーズ内で使用されているパーツを分割したうえで、増幅、減少させ、しかもタールの拍節数にあうようにデザインされたバリエーション「プラスタール」(prastar)を多数もっています。
プラスタールはその作り方によってそれぞれ「バラン」「パルター」「ぺーンチ」などと呼ばれます。
ところで「カーイダー」は現在6つあるタブラの流派それぞれが、それぞれの「カーイダー」を持っています。 中には別の流派のものだった「カーイダー」にエクストラのフレーズを追加して新しく出来た「カーイダー」や、わずかな箇所の音色を変えて、まったく別な風に聴こえたため新しい別な「カーイダー」として認識されるにいたったものもあります。
下に記したのはタブラの世界では一番よくしられているカーイダーの一つです。
「kaida : tintal」
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha ge /ti na ke na /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/te Te dha ge /dhi na ge na /
これは最も古いタブラの流派といわれる「デリー流派」のカーイダーとされていますが、現在活躍する全ての流派の殆どのタブラ奏者はこのカーイダーを知っているのではないでしょうか?
よく知られているだけにボールの発音の上では様々な違いもあります。
以下のように発音される場合も多いです。
/dha ti Te dha / ti Te dha dha/
/ti Te dha ge / tin na ke na /
/ta ti Te ta / ti Te ta ta /
/ti Te dha ge / dhin na ge na /
dha と na は基本的に全てチャーンティー(キナル)で演奏されますが、2行目と4行目の後半、後ろから3つめのnaはロウ(スール)で演奏されることも多いです。
また2行目と4行目の後半、ti(tin) とdhi(dhin) はスィヤーヒーのオープンサウンド、4行目のdhiはダッガーの ge と一緒に叩きます。 te (小文字の t です) はデリー流派では中指で、ファッルカーバード、ラクナウ両流派では中指と薬指で、バナーラス流派では中指、薬指、小指で叩くとされています。 そしてTe(こちらは大文字の T です) は人差し指で叩くスィヤーヒーのクローズサウンドです。
それではこのカーイダーのプラスタールを作ってみましょう。
「カーイダー(2)」
プラスタールはどのようにして作るのか?それはフレーズを「分割」することから始まります。
分割‥。
‥‥‥。
いいえ。難しく考えないで下さい。要は「分けること」です。
日本は8つの地方に分かれてます。そしてその中のひとつ、関東地方は6つの都と県に別れています。
あるいは北関東と南関東に分けることも、「海がある県」「海がない県」に分けることも出来ます。 さらにその中のひとつ、東京都の中には区と市に分かれています。それを音楽の中でやるだけです。さあ、やってみましょう。
分割は大きく分割することも出来ますし、小さく分割することも出来ます。大きく分割するなら、全体で4行ある上記のカイダの、「上の2行」と「下の2行」、の二つにする分割。 あるいは一行づつに分けて全体を四つに分割。さらに一行の半分づつ、「/」と「/」の間の音4つづつ、すなわち全体を八つにも分割できます。
ここまではシンプルです。
では次に、一行目を見てみましょう。もっと音楽として分割します。
/dha te Te dha /te Te dha dha/
ここには、ダッガー(バーヤン)のベース音が入っているボール(音)である「Dha」が四つあります。
その四つのボールを軸に考えると次のように分割することも出来ます。(分割される場所は「/」で示してます)
/dha te Te /dha te Te /dha dha/
「/」と「/」の間には音が3つ、3つ、2つとあります。これは一行を、/ 3 / 3 / 2 /に分割したものです。
プラスタールをつくるにはこのようにしてまずフレーズを様々なサイズ(長さ)に分割します。そして分割したパーツを、今度はタール(ターラ:リズムサイクル)のキャラクターと拍数にあうように構築します。実際にやってみましょう。
「カーイダー(3)」
まずはこのカーイダーの原型を思い出してください。
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha ge /ti na ke na /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/te Te dha ge /dhi na ge na /
プラスタール(1)
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha ge /ti na ke na /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha ge /dhi na ge na /
上のプラスタール(1)、元の形とどこが違いますか?
まず、全体の長さが二倍になっていますね。元は4行だったのが、8行になっています。
そして2行目と3行目は1行目と同じ音の並びになっています。
もうおわかりですね。そうです。
原型を四つに分割した最初の一行(音8つ分)だけを、増やしてあるのです。
もちろんただ増やすだけではありませんよ。
「タール」の「サイズ」(拍数)、そしてキャラクターに合わせて増やしてあるのです。
まずは「サイズ」。「ティーンタール」は16拍子のタールです。 この「ティーンタール」を倍の速さで数えれば、元の速さの「ティーンタール」の半分の長さ、すなわち8拍分、 さらにその倍の早さでカウントすれば、元の速さの4拍分になります。 では、その勢いでさらに倍の早さで元の速さの2拍分、そしてさらに倍の速さで1拍分、さらに‥。 と、行きたいところですが、残念ながらティーンタールは最低でも4つの拍( 四回の手拍子)を必要とします。
それがティーンタールの「キャラクター」です。
ティーンタールにはサム、カーリー、そして二つのターリーがあります。
それら四つの特徴をあらわすためには最低4拍は必要なのです。そしてその最低四つの拍子のキャラクターにあわせてプラスタールもデザインされているのです。
そして最後にもうひとつ注意点があります。
カイダの元の形がどういう音の並びだったかを、プラスタールの中のどこかに残していなければならないのです。
「元の形を残す」とはどういうことなのか、見てみましょう。
「カーイダー(4)」
プラスタール(1)の3行目と4行目、7行目と8行目をみてください。
そこにこのカーイダーの原型がはめこまれています。原型の1行目と2行目はプラスタール(1)の3行目と4行目に、原型の3行目と4行目はプラスタール(1)7行目8行目にそれぞれ使われています。
こう思われるかもしれません。
原型の3行目、dhaの音はバーヤンのベース音のないtaになっていますが、プラスタールのほうでは1行目と同じ /dha te Te dha /te Te dha dha/になっています、と。
そうなんです。ここはティーンタールのキャラクターにあわせた結果、バーヤンのベース音がはいっているのです。
ターラのキャラクターにあわせたプラスタールの作り方、おわかりいただけましたか?
16拍子のティーンタールの「サイズ」にあわせながら、同時にティーンタールの「キャラクター」にもあわせ、 さらにこのカイダの原型が判るように3行目、4行目、そして7行目、8行目に、原型を残しているのです。
では、つづくプラスタールを見てみましょう。
プラスタール(2)
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha dha /te Te dha dha/
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha ge /ti na ke na /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/te Te ta ta /te Te ta ta /
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha ge /dhi na ge na /
プラスタール(3)
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha dha /te Te dha dha/
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha dha /te Te dha dha/
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha dha /te Te dha dha/
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha ge /ti na ke na /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha dha /te Te dha dha/
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha ge /dhi na ge na /
「カーイダー(5)」
プラスタール(2)(3)はどのようなプラスタールでしょうか?ひとつずつ観察してみましょう。
まずプラスタール(2)はこういうボールです。
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha dha /te Te dha dha/
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha ge /ti na ke na /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/te Te ta ta /te Te ta ta /
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha ge /dhi na ge na /
プラスタール(1)との違いはどこでしょうか?それは2行目にあらわれています。
プラスタール(1)の2行目は、1行目全体を繰り返していました。
一方、こちらの2行目の /te Te dha dha /te Te dha dha/ は、
原型の1行目後半 /te Te dha dha / の部分だけにフォーカスして増やしたものです。
バーヤンのベース音から考えると、原型の一行目/dha te Te dha /te Te dha dha/は「3-3-2」に分割されますが、このプラスタールの2行目の /te Te dha dha /te Te dha dha/ は「2-2-2-2」の分割になります。
その為、2行目は1行目と比べて安定した印象を持ちます。
そして3,4行目でこのカーイダーの原型に戻ります。原型の一部をモチーフに新しい変化を見せた後、原型に一度戻る、これは先に述べたとおりカーイダーのプラスタールの基本的なパターンです。1,2行目で変化を見せた後、3,4行目で原型に戻り、どのような変化があったのかその差を聴衆に確認しているのです。
つづく5,6行目は右手の動きは1,2行目と同じですが、左手はティーンタールのキャラクターに沿ってバーヤンのベース音抜きの「カーリー・ビバーグ」になっています。この「カーリー・ビバーグ」をはさむことによって音楽的な動きが増すのはもちろん、聴いている人たち「自分たちが今ティーンタールの何拍目にいるのか」を確認することもできるのです。(ティーンタールのカーリー・ビバーグは9,10,11,12の各拍)。
最後の7,8行目は、原型の4行目、すなわちこのカーイダーの(プラスタールの)エンディングであることを示すとともに、バーヤンのベース音が次にくる1拍目への勢いを増す働きもしています。
さて、今回はここまでです。が、みなさんに問題です。
先にあげたプラスタール(3)は、どのようなプラスタールでしょうか?三択です。
(1) プラスタール(2)を倍のサイズにしたプラスタール。
(2) プラスタール(1)を倍のサイズにしたプラスタール。
(3) プラスタール(1)(2)とはまったく関係ない新しいプラスタール。
「カーイダー(6)」 (2月18日更新)
答えは(1)。プラスタール(3)はプラスタール(2)を倍のサイズにしたものです。
分析する前にプラスタール(3)をもう一度見てみましょう。
プラスタール(3)
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha dha /te Te dha dha/
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha dha /te Te dha dha/
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha dha /te Te dha dha/
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha ge /ti na ke na /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/ta te Te ta /te Te ta ta /
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha dha /te Te dha dha/
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha ge /dhi na ge na /
全体を見てみますと、いままでのプラスタールに比べてサイズが「倍」の大きさになりました。
原型は4行、プラスタールの(1)(2)は共に8行分のおおきさでしたが、プラスタール(3)では倍の16行分あります。
「原型は4行で、次は8行。ならば次は12行じゃあないの?」と、おもわれた方もいらっしゃると思います。
12行ではダメなんです。なぜかというと、「ティーンタール」のカーイダーのプラスタールは増加も減少も必ず「倍」もしくは「1/2」のサイズで行われます。もしそうでなければ「ティーンタール」の4+4+4+4というサイズとキャラクターから外れてしまうからです。
では細部を見ていきましょう。
まず1,2行目のボールは、先ほど見たプラスタール(2)と同じ
/dha te Te dha /te Te dha dha/
/te Te dha dha /te Te dha dha/
ですね。
それでは3,4行目はどうでしょう?
プラスタール(2)の3,4行目は原型の1,2行目と同じボールでしたが、ここでは原型とは違い直前の1,2行目とまったく同じものの繰り返しになっています。
つづく5,6行目も同様に1,2行目と同じボールの繰り返し、そして7,8行目になってやっと原型の1,2行目、すなわちこのカーイダーの原型があらわれます。
もうお気づきですね。
プラスタール(1)が原型の1行目を3回、2行目を一回、3行目を2回、再び1行目を一回、そして最後に4行目を一回、という形で倍のサイズになっていたのと同様、
プラスタール(3)はプラスタール(2)の、「1,2行目」三回、「3,4行目」を一回、「5,6行目」をを二回、再び「1,2行目」を一回、最後に「7,8行目」を一回、という形で、プラスタール(2)をその倍のサイズにしているのです。
この
1行目×3
2行目×1
3行目×2
1行目×1
4行目×1
という割合でそれぞれの行を繰り返して、それまでの倍のサイズにする方法は、ティーンタールにおけるカーイダーのプラスタールの最も基本的なものですので、よく覚えておいてくださいね。
詳しくは書籍『タブラ入門』でご覧いただけます。ご購入希望の方はお問い合わせください。